2026年2月16日月曜日

齋藤幸平『カール・マルクスのエコソーシャリズム』


佐々木 隆治 著『カール・マルクス』ちくま新書にさらりと、

《後にエンゲルスから厳しく批判されることになる左派の経済学者、オイゲン・
デューリングも、リービッヒの理論に注目し、「意識的な物質分配の規制」を訴えた。》

と書いてある。これはある意味衝撃的だった。
デューリングはマルクス、エンゲルスよりも先にリービッヒに言及していたことになるが、基本的にマルクスもエンゲルスもデューリングのリービッヒへの着目は無視しているからだ。
彼らがデューリングのプルードンへの賞賛を意図的に無視しているのと同じパターンだ。
エンゲルスの『自然弁証法』Dialektik der Natur 1873 〜1886のタイトルはあきらかにデューリングの『自然的弁証法』Naturliche Dialektik, 1865を意識している、というか明らかに剽窃している。

デューリングのターム 物質流通規制 [Regulierung der Stoffverteilung]は『国民経済学説の批判的基礎づけ』(Kritische Grundlegung der Volkswirtschaftlehre,1866)に一箇所出てくるが、マルクスのターム、物質代謝[Stoffwechsel](資本論1867)に似ている。

デューリングのリービッヒへの言及は、邦語アンソロジー2016年『マルクスとエコロジー』におけるカール=エーリッヒ・フォルグラーフ[Vollgraf,Carl-Erich]による論考「マルクスと 発展した資本主義的生産における社会の物質代謝の絶え間ない破壊」(250頁)に詳しい。
デューリングはマルクス研究者には資本論の最初の書評を書いたことで知られている。

0 件のコメント:

コメントを投稿