2026年4月13日月曜日

『永遠平和のために』(Zum Ewigen Frieden)1795年 カント

カント


チカコー
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永遠平和のために

https://www.blogger.com/blog/post/edit/102781832752441205/6001837475912508301


カント『世界公民的見地における一般史の構想』(1784):メモ
 http://nam-students.blogspot.jp/2013/04/blog-post_5840.html



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永遠平和のために - Wikipedia
永遠平和のために 一哲学的考察
Zum Ewigen Frieden. Ein philosophischer Entwurf
表紙、1795年
表紙、1795年
著者 イマヌエル・カント
発行日 1795年
ジャンル 政治哲学
プロイセン王国の旗 プロイセン王国
言語 ドイツ語
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永遠平和のために』(えいえんへいわのために、: Zum Ewigen Frieden)は、1795年イマヌエル・カントによって著された政治哲学の著作である。副題は「一哲学的考察」(: Ein philosophischer Entwurf[1]

本書はフランスプロイセンバーゼルの和約を締結した1795年にケーニヒスベルクで出版された。バーゼルの和約は将来の戦争を防止することを目的としたものではなく、戦争の戦果を調整する一時的な講和条約に過ぎなかった。このような条約では永遠平和の樹立には不完全であると考えた場合、カントには永遠平和の実現可能性を示す具体的な計画を示すことが求められる。本書はこのような平和の問題が論考されている。出版の翌1796年には第二補説を含めた増補版が発表されている。

本書の冒頭で『永遠平和のために』という標語がオランダの食堂宿にあった墓場の絵が描かれた看板に由来することを示し、それが「人類一般に妥当するのか、決して戦争を止めようとしない国家元首らに妥当するのか、或いは甘い夢を見る哲学者のみに妥当するのかは未定としよう」と書き、当時の現状を風刺的、懐疑主義的に批判している。

構成

  • 序文 - 永遠平和のために
  • 第1章 - この章は国家間の永遠平和のための予備条項を含む
    • 第1条項 - 将来の戦争の種をひそかに保留して締結された平和条約は、決して平和条約とみなされてはならない。
    • 第2条項 - 独立しているいかなる国家(小国であろうと、大国であろうと、この場合問題ではない)も、継承、交換、買収、または贈与によって、他の国家がこれを取得できるということがあってはならない。
    • 第3条項 - 常備軍(miles perpetuus)は、時とともに全廃されなければならない。
    • 第4条項 - 国家の対外紛争に関しては、いかなる国債も発行されてはならない。
    • 第5条項 - いかなる国家も、他の国家の体制や統治に、暴力をもって干渉してはならない。
    • 第6条項 - いかなる国家も、他国との戦争において、将来の平和時における相互間の信頼を不可能にしてしまうような行為をしてはならない。たとえば、暗殺者(percussores)や毒殺者(venefici)を雇ったり、降伏条約を破ったり、敵国内での裏切り(perduellio) をそそのかしたりすることが、これに当たる。
  • 第2章 - この章は国家間の永遠平和のための確定条項を含む
    • 第1確定条項 - 各国家における市民的体制は、共和的でなければならない。
    • 第2確定条項 - 国際法は、自由な諸国家の連合制度に基礎を置くべきである。
    • 第3確定条項 - 世界市民法は、普遍的な友好をもたらす諸条件に制限されなければならない。
    • 第1補説 - 永遠平和の保証について
    • 第2補説 - 永遠平和のための秘密条項
  • 付録
    • 1. 永遠平和という見地から見た道徳政治の不一致について
    • 2. 公法の先験的概念による政治と道徳の一致について

チカコー
287*324
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永遠平和のための第二確定条項 
 国際法は、自由な諸国家の連合制度に基礎を置くべきである。

 この連合が求めるのは、なんらかの国家権力を手に入れることではなくて、もっぱらある国家そのもののための自由と、それと連合したほかの諸国家の自由とを維持し、保障することであって、しかも諸国家はそれだからといって、(自然状態にある人間のように)公法や公法の下での強制に服従する必要はないのである。連合制度は次第にすべての国家の上に拡がり、そうして永遠平和へと導くことになろうが、連合制度のこうした理念の実現可能性(客観的実在性)は、おのずから証明されるのである。なぜなら、もし幸運にもある強力で啓蒙された民族が一共和国(共和国は、その本性上、必然的に永遠平和を好むが)を形成することができたら、この共和国がほかの諸国家に対して連合的結合のかなめの役をはたすからで、その結果諸国家はこの結合に加盟し、こうして諸国家の自由な状態は国際法の理念に即して保障され、連合はこの種の多くの結合を通じて次第に遠くにまで拡がっていくのである。

永遠平和
カント岩波文庫43頁

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帝国207~8 (冒頭一部写し間違い)
 連合性は、次第にすべての国家の上に拡がり、そうして永遠平和へと導く続くことになろうが、連合制度のこうした理念の実現可能性(客観的実在性)は、おのずから証明されるのである。もし幸運にもある強力で啓蒙された民族が一共和国(共和国はその本性上、必然的に永遠平和を好むが)を形成することができたら、この共和国がほかの諸国家に対して連合的結合のかなめの役をはたすからで、その結果、諸国家はこの結合に加盟し、こうして諸国家の自由な状態は国際法の理念に即して保障され、連合はこの種の多くの結合を通じて次第に遠くまで拡がっていくのである(『永遠平和のために』)。


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チカコー2022,288
チカコー2026,325
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3 自然の「隠徴な計画」

実は、カントは、フランス革命に先立って以上のような考えをもっていた。すでに「世界公民的見地における一般史の構想』(一七八四年)で、次のように述べていた。



 自然は人間を、戦争をとおして、また戦争へ向けてのけっして縮小されない過度の軍備、さらにまったく平和状態にある国家でさえも結局はそれぞれ内心抱かざるをえない苦境をとおして、最初は不十分ながらいろいろな試みをさせるが、最終的には、多くの荒廃や国家の転覆を経て、さらに国力をことごとく内部から消耗させた後に、これほど多くの悲惨な経験をしなくとも理性ならば告げることのできたこと、つまり野蛮人の無法状態から抜け出して国際同盟を結ぶ方向へ追い込むのである。(第七命題)


全集14,13頁


世界市民という視点からみた普遍史の理念(一七八四年) 光文社訳タイトル 以下の引用は岩波文庫

世界共和国へ
世界共和国
 彼の理念は窮極的に、各国が主権を放棄することによって形成される世界共和国にあります。それ以外に、国家間の自然状態(敵対状態)が解消されることはありえないし、したがって、それ以外に国家が揚棄されることはありえません。一国の中だけで、国家を揚棄するということは不可能です。  
 この意味で、カントの平和論は、国際法や国際政治の問題に還元されるようなものではない。世界共和国はカントの歴史哲学の根幹に存するのです。というのも、彼は、『世界公民的見地における一般史の構想』(一七八四年)において、世界共和国の形成を人類史が到達すべき理念として論じているからです。 

人類の歴史を全体として考察すると、自然がその隠微な計画を遂行する過程と見なすことができる、ところでこの場合に自然の計画というのは、各国家をして国内的に完全であるばかりでなく、更にこの目的のために対外的にも完全であるような国家組織を設定するということにほかならない、このような組織こそ自然が、人類に内在する一切の自然的素質を剰すところなく開展し得る唯一の状態だからである(第八命題)。 

自然の計画の旨とするところは、全人類のなかに完全な公民的連合を形成せしめるにある。かかる計画にそって一般世界史をあらわそうとする試みは、可能であるばかりでなく、また自然のかかる意図の実現を促進する企てと見なさざるをえない(第九命題)。 (「世界公民的見地における一般史の構想」、篠田英雄訳) 


光文社及び全集14では世界市民
チカコー*325~6

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定本トランスクリティーク195~6頁参照

世界市民的…

◆第三命題    
◇自然の配慮

 …自然は、人間が安楽に生きられるようにすることなどには、まったく配慮しなかったようである。人間がみずからの行動を通じて、安楽で幸せな生活に値するような存在になることが求められているのである。  
 これについては奇妙なことがある。その一つは、一つの世代は苦労の多い仕事に従事し、次の世代のための土台を用意し、次の世代はこの土台の上に、自然の意図する建物を構築できるかのようにみえるのである。もう一つは、この建物に住むという幸福を享受するのは、ずっと後の世代になってからであり、それまでの幾世代もの人々は、その意図はないとしても、この計画を進めるために働き続けるだけで、自分たちが準備した幸福のかけらも享受できないことである。これは不可解な謎かもしれないが、次のことを考えると、必然的なものであることが理解できよう。すなわち動物の一つの種である人類が理性をそなえていることによって、個々の成員としての人々はだれもが死ぬが、一つの種としての人類そのものは不滅であり、みずからの素質を完全に発達させる域にまで到達することができるのである。

光文社古典新訳文庫
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世界共和国へ223頁

チカコー2026
325~6

◆第八命題    ◇自然の隠された計画  人類の歴史の全体は、自然の隠された計画が実現されるプロセスとみることができる。自然が計画しているのは、内的に完全な国家体制を樹立することであり、しかもこの目的のために外的にも完全な国家体制を樹立し、これを人間のすべての素質が完全に展開される唯一の状態とすることである。


 ◆第九命題    ◇自然の計画  自然の計画は、人類において完全な市民的連合を作りだすことにある。だからこの計画にしたがって人類の普遍史を書こうとする哲学的な試みが可能であるだけではなく、これは自然のこうした意図を促進する企てとみなす必要がある。

光文社古典新訳文庫
別訳

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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B8%E9%81%A0%E5%B9%B3%E5%92%8C%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AB

永遠平和のために

内容

本書の内容は永遠平和を確立するための予備条項と確定条項から構成されている。予備条約の章では将来戦争を留保した講和条約、買収、贈与などによる国家の取得、常備軍の維持増強、政策戦争のための国債発行、諸外国に対する軍事的な内政干渉、外国に対する相互信頼を不可能とする行為、以上を禁止するための条項が列挙されている。これら予備条項は平和をもたらすための準備的な段階であり、確定条項では具体的な平和の条件が示される。確定条項では各国の政治体制が共和政であること、また国際法は諸国家の連合体に基づくこと、世界市民法は友好をもたらす条件に律されなければならないことが定められている。

予備条項の中でも常備軍の全廃を示した第3条項は特に興味深い構想である。常備軍の存在そのものが諸外国に対して戦争の恐怖を与え、したがって無制限な軍備拡張競争が発生する。そしてその軍拡によって国内経済が圧迫されるとその状態自体が攻撃の動機となる。つまり常備軍は時期とともに全廃されなければならないとカントは考える。また国家が軍事行動のために人員を雇用することは人間の権利に反しており、国家は戦争のために国民を手段としてはならない。ただし国民が自発的に軍事的な教育訓練を実践して外敵に対する自衛手段を確保することについてはカントは認めている。

確定条項でカントは共和政の国家体制について述べているが、ここでの共和体制とは事実上の体制ではなく、自由平等の権利が認められた国民が代表制に則りながら統治に参加している理念としての政治体制である。つまり共和体制において国民は戦争の苦難を忌避するために、開戦に同意しないとカントは考えたのである。同様の理由で協和的な国際連合の枠組みを樹立することで世界共和国を形成すれば平和を維持することが可能であると考えられる。

最後の文末は、「たとえ無限に先に進んでいく接近の中のみであるとしても、公法の状態を実現することが義務であり、同時にその根拠である希望が現存するならば、従来呼ばれていた平和締結(これは厳密には休戦の意味)の後に来る永遠平和は、空虚な理念ではなく、漸進的に解決されて目標に絶えず接近していく課題である」と締めくくっている。

日本に対する言及

なお、本書の末尾、第2章の第3確定条項を説明するくだりで、カントは海洋進出した欧州諸国のアメリカアフリカアジアにおける侵略・簒奪的姿勢を批判しつつ、中国)と日本鎖国政策を、賢明な措置として言及している[2]

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