2020年4月26日日曜日

『乱』と東京オリンピック2020




黒澤明『乱』の鶴丸役を演じている現野村萬歳氏が東京オリンピック2020の開会式演出を担当するはずだっだ。
直前にアイヌ色を排除するなど話題になっていた。
今後どうなるかわからないが『乱』のラストシーンが示唆するものは大きい。



『乱』 https://i.imgur.com/8VosY3P.gif


さらに全集7にシナリオが掲載されている『黒き死の仮面』も多くを考えさせる。

参考:

黒澤明の最後の脚本『黒き死の仮面』の製作ノートに書かれたテーマは”人間の愚劣と醜悪”を描く恐ろしい終末観だったー2020年公開は--? - シネフィル - 映画とカルチャーWebマガジン
https://cinefil.tokyo/_ct/17048915

黒澤明の最後の脚本『黒き死の仮面』の製作ノートに書かれたテーマは”人間の愚劣と醜悪”を描く恐ろしい終末観だったー2020年公開は--?

ある国で「赤死病」という疫病が広まり、長い間人々を苦しめていた。ひとたびその病にかかると、眩暈が起こり、体中が痛み始め、発症から三十分も経たないうちに体中から血が溢れ出して死に至る。しかし国王プロスペローは、臣下の大半がこの病にかかって死ぬと、残った臣下や友人を引き連れて城砦の奥に立てこもり、疫病が入り込まないよう厳重に通路を封じてしまった。城外で病が猛威を振るうのをよそに、王は友人たちとともに饗宴にふけり、やがて5、6ヶ月もたつとそこで仮面舞踏会を開くことを思い立った。舞踏会の会場となる部屋は奇妙なつくりをしており、7つの部屋が続きの間として不規則につながり、またそれぞれの部屋はあるものは青、あるものは緑という風に壁一面が一色に塗られ、窓にはめ込まれたステンドグラスも同じ色をしていた。ただ最も奥にある黒い部屋だけは例外で、ここだけは壁の色と違いステングラスは赤く、その不気味な部屋にまで足を踏み入れようとするものはいなかった。
舞踏会は深夜まで続き、黒い部屋に据えられた黒檀の時計が12時を知らせると、人々はある奇妙な仮装をした人物が舞踏会に紛れ込んでいることに気がついた。その人物は全身に死装束をまとい、仮面は死後硬直を模した不気味なものであり、しかもあろうことか赤死病の症状を模して、仮面にも衣装にも赤い斑点がいくつも付けられていた。この仮装に怒り狂った王はこの謎の人物を追いたて、黒い部屋まで追い詰めると短剣を衝き立てようとするが、振り返ったその人物と対峙した途端、絨毯に倒れこみ死んでしまう。そして参会者たちが勇気を振起し、その人物の仮装を剥ぎ取ってみると、その下には何ら実体が存在していなかった。この瞬間、赤死病が場内に入り込んでいることが判明し、参会者たちは一人、また一人と赤死病にかかって倒れていった。




418 名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 2020/05/14(木) 17:45:16.34  ID:vL49mrHw 
>>417
戦艦大和を扱った映画3本を比較してみると
男たちのYAMATOは映像がきれいなだけで役者は論外
連合艦隊(1981)は、当時の最高の特撮で役者も大物使っていい演技だけどやはり軍人ではなく
人間の演技という意味では、1953年(昭和28年)の「戦艦大和」が一番リアルだという
(大和副長に演技指導してもらい出演者も従軍経験者多数だからね)

ここで戦闘シーンが見られる

>我々でリアルに空気感まで出せるのは
「シン・ゴジラ」は、3.11経験した後の日本人でないと作れなかった映画だとは思う

『乱』ラストカットの鶴丸(野村萬斎)一人きりはこうして撮影された!カラスの乱入も意味深に。

2 件のコメント:

  1. 黒澤明は美が世界を救うと考えていた

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  2. もののあはれは黒澤明の乱の馬から落馬する兵たちを写したシーンに現れている
    山本嘉次郎の馬でのアドバイスから数十年かかった
    ポストモダン以降の日本人知識人が黒澤明を評価できないのは
    ドゥルーズと違い教養がないから
    いや教養が邪魔するのか

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