ライファイゼン 信用組合 1971,1866
以下第2版序文より
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組合員の連帯責任のもつ意義は、必要な資金を調達することにのみある のではない。それはまた社会の一員としての義務感を組合員に意識させ、「一人は万人のため万人は一人のため」 に尽くすょうにさせ、キリスト教的連帯感のもとに団結させ協同させるところにある。
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第一版序文
多くの地方で農民が目にみえてだんだんと貧しくなっていく今、強力な救助の手を打つ必要に迫られている。こ
れまでの経験からいって、それには二つのものが必要である。一つは資金、一つはこの資金をできるだけ有効に使
う知識である。必要な知識はそれぞれ目的に応じて教え込めば得られる。が、必要な資金は組合によるほかに調達
の道はない。
ここに提唱する組合は絶対無条件の自助にもとづくものである。自助は、住民の力と土地の力とを発揚させ、ま
たそれらをできるかぎり広く活用し、かつ役だてる作用をするものである。
とくに寒い冬の季節、いや往々にして陽気の良い時期ですらも使われなかった住民の体力と能力に格好な産業を
導入するための資金は、組合を通じて調達される。組合が設立されれば、多くの地方では、これらの力が土地を今
までよりも有効に利用することにょって、さっそく収益を生むょうになる。ブドゥ酒にしてもホップにしてもその
価格は、消費がふえ、また輸送が容易で安くつけば、おそらく生産者の満足するような高さを維持するであろうか
ら、気候さえ良ければ、ブドウ畑やホップ畑の育成や改良がますます効果をあげることになろう。ブドゥやホップ
の栽培は、たいていの地方、とくに高冷地では盛んになるであろう。さらにカワヤナギや果樹の改植、草地の育成
によって、 荒蕪地の排水、開墾その他によって、土地,気象条件が許すかぎりのあらゆる改良が行なわれ、かくて
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第2版序文
…
るように監視する、出資金をとらずまた配当はしない、理事や管理委員は無給の名誉職としてその職務を行ない
他の多くの組合員と同様にいやしくも私利を求めることなく公益的活動に終始献身する、また永久不可分の組合共
同財産を積み立てる、そして貸付金からあがる利子が十分蓄積されたらこれを公益目的のために使用するように気
を配る一これらの定款規定は、残念なことだが現今とかく薄れてきている人々の協同心なるものを呼び覚まし活
気づけることを目的としているのである。組合員の連帯責任のふもつ意義は、必要な資金を調達することにのみある
のではない。それはまた社会の一員としての義務感を組合員に意識させ、「一人は万人のため万人は一人のため」
に尽くすょうにさせ、キリスト教的連帯感のもとに団結させ協同させるところにある。願わくは、これがドイッ国
民の、身分や階級を問わずすべての者の目ざすところとなりますように、またドイッ国民が社会関係においてより
麗わしい未来を迎えますように そしてそのために神が恵みを垂れ給いますように
1八七二年九月
ノイヴィート=《ッデスドルフ
著 者
( 第二版の標題は『農村の住民ならびに都市の労働者の困窮を救済する手段として、消費、販売、競売その他の
協同組合と結びついた貸付組合』で、一八七二年刊行。(訳者)
263解説
(二) 資金問題
出資金の必要性は、シュルツェとライファイゼンの論争の
焦点の一つであった。初期の員村協同組合は出費をしていな
かった。登記所も一八七六年までは無出費の組合を登記して
いた。 現実に貧しい農家から出資を最初にさせることは不可
能と考えたからである。帝国議会におけるシュルッェの攻撃
により、また裁判所も無出資の協同組合の登記を受け付けな
説くなったので、やむなく出資を認めることとなった。ただし
1ロの出資をできるだけ少なくし、出資への配当は利子の範
囲に制限することが中央会の指導原則となった。農家の経済
解状態も改善されたので、出資は普のように困難ではなくなったからである。
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