NHK党・立花孝志容疑者が示談を求めたのは「弁当切り」ができなくなったから? 見つかった元県議の「遺書」は
ある人が罪を犯し、執行猶予つきの有罪判決を受けたとする。その人が執行猶予期間中に再犯で逮捕、起訴され、新たな罪で有罪判決を受けると、前の刑が加算されて刑期が長くなる。たとえば懲役1年執行猶予3年の判決が確定している人が、執行猶予期間中に再び罪を犯し、裁判で懲役2年の判決を受けた場合、執行猶予が取り消され、懲役1年と合算されて懲役3年となる。 ただ、この人が刑の合算を避けるため、病気などの理由をつけて裁判期日を延期したり、控訴や上告をして判決が確定するのを引き延ばしたりして、再犯の判決までに執行猶予期間が過ぎると、前の刑は合算されない。この手法は刑事司法の世界で俗に「弁当切り」と呼ばれていた。 だが、刑法改正によって今年6月からは、執行猶予期間中に再犯があった場合、有罪が確定しなくても、起訴された段階で執行猶予期間が継続し、拘禁刑(旧懲役・禁固刑)以上が確定すると、前の刑も合算されて執行されることになった。つまり「弁当切り」ができなくなったわけだ。 立花容疑者は、2020年4月に、NHKの受信料の徴収をしていた男性から、契約者の個人情報を不正に取得したなどとして、不正競争防止法違反と威力業務妨害などの罪に問われ、21年1月に東京地裁で懲役2年6カ月、執行猶予4年の有罪判決を受けた。その後、控訴、上告したが棄却され、23年3月に有罪判決が確定している。 今も執行猶予期間中の立花容疑者は、今回の事件で起訴され、裁判で実刑判決を受ければ、長期の服役となる公算が大きい。石塚氏はこう説明する。 「立花容疑者の場合、23年に執行猶予4年の有罪判決が確定し、27年3月で執行猶予期間が満了となる。これまでなら新たな名誉毀損事件を控訴、上告などで判決確定を引き延ばして、執行猶予が切れるまで時間稼ぎをすれば前の刑の執行を免れた。しかし本年6月の改正法の施行で『弁当切り』ができなくなった。 今回の名誉毀損事件について、1審で有罪判決が言い渡されたその時点で、立花容疑者には2年6カ月の実刑がプラスされるので、4年以上刑務所に服役することになるのではないか。被害者のご遺族と示談を成立させて、検察に起訴を思いとどまらせる以外に服役を免れる道はないと判断したのだろう」 神戸地裁は11月19日、立花容疑者について10日間の勾留延長を認め、勾留は11月29日までとなった。 石塚氏は立花容疑者が起訴されれば、保釈も「厳しい」との見解を示す。 「報道によると、逃亡の恐れや情報提供者との口裏合わせ、罪証隠滅などが危惧されたとあります。竹内さんがお亡くなりなった理由の一つが、立花容疑者のSNSでの誹謗中傷。保釈した場合、告訴状を出した竹内さんのご遺族にSNSなどを使って、告訴の『取り下げ』などを迫るかもしれない。裁判官は慎重になるでしょう」
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