万博迫る関西空港で警備に隙…壁を乗り越え制限区域に侵入した男、車を盗んで滑走路近く走行
関西空港で1月、立ち入り禁止の制限区域に侵入したとして男が逮捕される事件があった。男が壁を乗り越えるのを警備員が目撃しながら侵入を防げず、鍵が付いたままの車を無断で運転されるなど、空港警備の隙を突かれた格好だ。大阪・関西万博の開幕が4月13日に迫る中、大阪府警は運営する関西エアポート(関西エア)に対し、警備態勢の点検と強化を要請。国土交通省は再発防止策を報告するよう求めた。(門間圭祐) 【図解】男の進入経路のイメージ
府警関西空港署によると、1月9日午前5時30分頃、税関などが入った合同庁舎近くにある壁(高さ約1・8メートル)を無職男(27)が乗り越えるのを警備会社の警備員が見つけ、勤務先を通じて同署に通報があった。
警備関係者によると、男はこの直前、庁舎前のゲートにいた警備員に「ここ入っていいですか」と声をかけ、止められたが、近くの植え込みにリュックを置き、壁を越えて通路を直進。庁舎と第1ターミナルを結ぶ連絡通路の屋根(高さ約3メートル)によじ登って制限区域に侵入した。防犯カメラには、同区域内を歩く様子が映っていたという。
警備関係者は「不審な男の侵入を目撃しながら追跡できなかった。経緯を検証する必要がある」と話す。
男はその後、航空機の駐機場近くに止まっていた軽貨物車に乗り込み、滑走路に通じるエリアを走行。車のドアは施錠されておらず、エンジンキーが付いたままだった。午前7時50分頃、車は約600メートル離れた制限区域の端付近で見つかったという。
府警は、男が車を乗り捨てた後、フェンスを乗り越えて制限区域外に移動し、シャトルバスで第2ターミナルに向かったとみている。
滑走路一時閉鎖
侵入から約3時間40分後の午前9時10分頃、第2ターミナル内で男が警察官に確保された。安全確保のため、2本の滑走路が一時閉鎖され、到着予定だった6便が大阪(伊丹)空港などへ向かったほか、1便が出発した空港へ引き返した。
男は建造物侵入容疑で逮捕され、調べに「見知らぬ男から逃げるためだった」と供述した。1月29日には軽貨物車を盗んだとして窃盗容疑で再逮捕された。
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