さらに、下図から、水平尾翼と第4エンジンの落下位置及び飛行経路を確認すると、中央上に水平尾翼、そして中央下に第4エンジンがあることが分かる。水平尾翼の落下位置からすると飛行経路は水平尾翼の上を通り、そこから右へ大きく旋回して、「一本から松」への接触後に、右主翼がU字溝を削り取ったあたりで第4エンジンの本体が脱落したと考えるのが自然である。 |
小田周二『永遠に許されざる者』
後編
報告書には墜落の「事故原因」が書かれていない。
小田氏は、事故調査委員会の報告書の最大の欠陥は、123便が墜落した原因が明記されていないことだ、と指摘している。つまり、この報告書でも123便が垂直尾翼の破壊脱落の後も「不安定な状態」ではあっても「飛行の継続ができた」という事実を述べているが、その継続飛行していたものがいきなり墜落に転じたのはどうしてなのだろうか、ということである。
・川上村レタス畑から上野村への飛行の軌跡
横田基地方面を目指していた123便は、それから10分ほどで長野県川上村の梓山に到達していた。そこで、最後の手段として高濱機長はレタス畑への不時着を試みている。
18:54:06
機長 「はい、左」―五郎山を避ける。 |
機長「あたまを下げろ」―レタス畑への着陸態勢に入る。 |
機長「フラップ、降りるね?」―減速指示 |
副操縦士「フラップ10?」―減速しつつ揚力を高めて降下する操作。 |
⇒薄着陸に入る前の標準的な操縦である。 |
当時、レタス畑で農作業をしていた石川哲氏(38歳)は「まるで石を投げたらあたるような超低空飛行だった」と延べ、その後飛行機は三国山の方に向かって飛んで行き、「もうぶつかると思ったが、機首をぐっと持ち上げて、山の斜面を這うようにして上昇していった。機首の上部が後ろからでも見える程の急角度のままやっと尾根を超えた。姿が見えなくなって、数秒後に、黒い煙が、続いて白い煙が上がった」と証言している。
レタス畑での不時着を諦めた事故機は無事「復航」して3,000mの飛行高度に上昇し、上野村の山岳地帯の1,500m級の山々との接触を避けながら、安全高度の飛行を行っていたが、その時であった。
18:55:45 | 機長らの絶叫音「アーッ」⇒事故機に異常事態が発生したことを示す。 生還還した落合氏の証言「物凄い横揺れがした」と一致する。 |
18:55:57 | 事故来急降下開始(制御不能の墜落事象の開始)。 DFDRデータの飛行高度を参照 |
(フライトレコーダーの18:56:00の飛行高度の変化) | |
18:56:30 | 123便、御巣鷹の尾根に墜落 |
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