女性器の神経ネットワークを世界で初めて完全にマッピング、「陰核」の解剖学的構造が明らかになり骨盤手術を受ける女性の治療成績向上に期待大 - GIGAZINE

女性器の神経ネットワークを世界で初めて完全にマッピング、「陰核」の解剖学的構造が明らかになり骨盤手術を受ける女性の治療成績向上に期待大 - GIGAZINE



女性器の神経ネットワークを世界で初めて完全にマッピング、「陰核」の解剖学的構造が明らかになり骨盤手術を受ける女性の治療成績向上に期待大

オランダ・アムステルダム大学医療センターの研究チームが、高エネルギーX線を用いたシンクロトロン放射光により、これまで詳細が不明であった女性器の陰核(クリトリス)における神経ネットワークを3Dで完全にマッピングすることに成功しました。この研究は、社会的なタブーや技術的な制約により人体のなかで最も研究が進んでいなかった器官の一つである陰核の解剖学的構造を、マイクロメートル単位の解像度で詳細に明らかにしたものです。

Neuroanatomy of the clitoris | bioRxiv
https://www.biorxiv.org/content/10.64898/2026.03.18.712572v1

Full network of clitoral nerves mapped out for first time | Women's health | The Guardian
https://www.theguardian.com/society/2026/mar/29/full-network-clitoral-nerves-mapped-out-first-time-women-pelvic-surgery

研究チームはフランスの欧州シンクロトロン放射光施設(ESRF)において、階層型位相コントラスト断層撮影(HiP-CT)という最新のX線技術を使用しました。この技術により、献体された59歳と69歳の女性の骨盤試料を20μmおよび2μmのボクセルサイズでスキャンしました。

シンクロトロン放射光の強力なX線は、従来の磁気共鳴画像法(MRI)では不可能だった軟組織内の微細な神経束を可視化することを可能にするもので、画像の再構成にはオープンソースソフトウェアが活用され、機械学習アルゴリズムを用いて神経のセグメンテーションが行われました。

今回の研究で最も重要な発見の一つは、陰核の主要な感覚神経である陰核背神経(DNC)の完全な3D経路が特定されたことです。陰核背神経は、陰核脚から陰核体を経て陰核亀頭へと至ります。

以下は陰核の全体像と、主要な感覚神経である陰核背神経(DNC)の走行を示したものです。3次元再構成画像では、DNCが黄色、海綿体が緑色、静脈網が青色、尿道海綿体がマゼンタ色で色分けされており、断面図によって神経束が具体的にどの位置を通っているかを確認できます。

陰核亀頭の内部におけるDNCの微細な構造をチェックすると、最大直径が0.2mmから0.7mm(平均423μm3)の5本の太い神経幹が確認され、これらが亀頭の表面に向かって樹状に分岐している様子が明らかになりました。

さらに研究では、陰核背神経のいくつかの枝が陰核包皮や陰丘まで伸びて分布していることが初めて示されました。

また、会陰神経の枝である後陰唇神経(PLN)が、陰唇だけでなく陰核体の周囲も支配していることが確認されました。これらの詳細な神経分布は、手術の際に損傷を避けるべき区域の定義を見直す必要があることを示唆しています。

研究チームは臨床的な意義として、世界中で2億3000万人の女性が影響を受けているとされる女性器切除(FGM)後の再建手術への貢献を挙げています。再建手術を受けた女性の約22%が術後に絶頂感の低下を経験するというデータがありますが、神経経路の正確な理解により手術手法の改善が可能になります。また、2015年から2020年にかけて実施数が70%増加したとされる小陰唇縮小術などの美容外科手術において、意図しない神経損傷を防ぐためのガイドライン提供にもつながります。

研究チームは、陰核に関する研究が昔から文化的タブーと見なされ、陰核は標準的な解剖学の教科書において無視されるか、あるいは「陰茎の小さなバージョン」と誤った記載をされてきた歴史があると指摘。今回の研究は閉経後のサンプルに限定されているといった制約はあるものの、将来的に若年層を含めた大規模な調査や、感覚神経と自律神経を区別するための分子マーカーを用いた研究へと発展する基盤になると期待しています。

白揚社さんによるXでのポスト

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■ ■ ■

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集団の外に対しては反社会的行動の原動力となる。
宗教的アイデンティティが国家に利用されるとき、悲劇は起こる。
――フィナンシャル・タイムズ紙

宗教と人間の生活のあり方は、かくも複雑なのである。
本書は、その両方を進化的ないきさつから説明しようと、
真に大きな考察を展開しようと試みる大作である。
――長谷川眞理子(進化生物学者、総合研究大学院大学名誉教授/「解説」より) 

<a href="https://x.com/hakuyo_sha/status/2022252604789854666?s=58">https://x.com/hakuyo_sha/status/2022252604789854666?s=58</a>